オオツカさんとゆうみちゃん #33
オオツカさんは、マンホールの上で寝そべるのとベンチでじーっとしているのが好きで、そばに人間が寄ってきても全く意に介さず、常に超然としているわけなのです。
そんな「孤高のネコ」であるオオツカさんは、きっとワタシの事なんて覚えていてくれないと思うのだけれど、だけどでも、ワタシはオオツカさんのことが大好きなのです。
オオツカさんは、特別なのです。
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オオツカさんは、マンホールの上で寝そべるのとベンチでじーっとしているのが好きで、そばに人間が寄ってきても全く意に介さず、常に超然としているわけなのです。
そんな「孤高のネコ」であるオオツカさんは、きっとワタシの事なんて覚えていてくれないと思うのだけれど、だけどでも、ワタシはオオツカさんのことが大好きなのです。
オオツカさんは、特別なのです。
(たぶんきっと、人間がオオツカさんをみつける前に、オオツカさんが人間をみつけた。)
オオツカさんは公園にいる。
だから、公園に行けばオオツカさんに会える。
夜のオオツカさんは、黒目が大きい。
そう、黒目が大きいのだ。
人間はネコと内緒話しをする。
今日の失敗を告白し、それから、いつもは勇気が足りなくて言えないことを、少し話す。オオツカさんは何も言わない。ネコだからかも知れないし、ワタシのことなんて忘れてしまったのかもしれない。
オオツカさんの背中は少し冷たくて、だけれど、とても整った毛並み。
草を食べるオオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
毛糸屋さんの帰りに、オオツカさんを探しに行く。
オオツカさんはいつものように、ベンチに座っていた。
少し久しぶりに会ったワタシたちは、(ネコはともかく人間の)体が冷えるまで、内緒話しをする。いつものように、ソークールなワタシたち。
そして今夜も。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(聞き取り調査をする人間)

オオツカさん、みかけなかった?
知らない。

オオツカさん、みかけなかった?
知らない。

オオツ・・・
知らない!
(猫のお世話をしている女性に聞いてみようかと迷う人間)
「でもなー。オオツカさんがオオツカさんだってこと、どうやって説明すれば良いんだろう。桜の木の下にオオツカさんのお家がない事、何か関係あるのかしら?」
セツナイキモチの人間、ややおおげさにオオツカさんの存在について考察し、以下無言。
(エラくご機嫌な人間、動かないネコ。)
オオツカさん、おはよう!
おはよう。
日かげで寒くないの?
平気。

昨日のこと、話さないね。
うん。もったいないから。言うと薄まるから。
ふーん。
んっ!?オオツカさん、なんで知ってるの?
ちょっとね。
裏ルート?
まぁね。
(しばらく考える人間、動かないネコ。)
誰にも内緒にしてくれる?
いいよ。
本当のほんとうに?
いいよ。
オオツカさんとゆうみちゃん、ヒミツを共有して、以下無言。
(甘えっこモード炸裂のネコ、本当はとってもウレシイのにクールな態度を崩さないように心がける人間。)
今日は甘えっこだね。
うん。
どうして顔をカバンにこすりつけるの?

カバンにエサは入ってないよ?
知ってる。
明日も、甘えっこ、良いよ?
(ひざの上を占領するネコ、ひざの上を占領されたネコ。)
人間のひざの上が好きなの?
やわらかいから。

でも、少し編み物がしにくいな。
やわらかいから。
決してひざの上から動こうとしないネコ、50cm位離れた場所でじっとしているオオツカさん、そんなオオツカさんにヤキモチを焼かれたいゆうみちゃん、以下無言。
(風邪をひいているので公園で編み物はやめようと思っていたのに、間違えて公園へ行ってしまった人間。)
すこし太った?
ううん、衣替えしただけ。
オオツカさんにも衣替えがあるの?
ないの?
いや、ワタシはあるけど・・・

ねぇ、それ、きぐるみなの?
きぐるみってなに?
背中にファスナー、ついてる?
ついてるの?
ワタシはついてないよ!
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(めでたくビデオを見る事が出来た人間、ネコに駆け寄る。)
無言で抗議するほどでもなかったんぢゃない?
そんなことないよ。
でも、ちょっとだけだったよ?
そんなことないよ。

あのネコはいっぱい出てたけど・・・
そんなことないよ。
テレビに出たいの?
別に。

(あらゆることに動じない「あのネコ」は、今日もいつも通り。)
ねぇ、もし人気者になったらワタシの事忘れちゃうって、本当?
別に。わからない。
ためしに忘れないよって言ってみて?
忘れないよ。
もう一回言って?
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(キンモクセイの香りに包まれるネコ、キンモクセイの香りに包まれる人間、しばらく、うっとりした表情になっていた彼ら。)
あれを探してたんでしょ?
ん?あれって?
あそこの木。

(ネコと人間の視線の先には、とても!大きなキンモクセイが2本。)
あそこにあるって知ってたの?
あの木は前からある。
どうして教えてくれなかったの?
だって、来なかったから。

見つかったから嬉しい?
まぁね。
あんまり嬉しくないの?
ううん、そんなことない。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(放送を見逃した人間、背中で抗議するネコ。)
おはよう。
・・・。
オオツカさん、おはよう。
・・・。

あのね、録画するの、忘れちゃったの。
知ってる。
ごめんね。きっと見ようと思ってたのに、忘れちゃったの。
シンジケートもあんまりアテにならないね。
それなに?なんの話し?
別に。こっちの話し。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(隠し撮りに成功した人間、素知らぬ顔で編み物を始める。)
いま、写真撮った?
ううん、撮ってない。
でも、写真の音がしたよ?
ううん、撮ってない

本当に撮ってない?
・・・ちょっとウソ。
ほら、やっぱり。
ごめん。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
-----
2007/10/02 00:27
(めずらしくサクラの下にいるネコ、目の前のベンチに座る人間。)
ちょっと話しても良い?
うん。いいよ。

あのね、昨日ね、ワタ・・・
ややっ!なにかしら!?
(音も立てずゆっくりとした動作でヒザの上を占領するネコ。戸惑う人間。)

あああ、あのう・・・
今、オオツカさんと話しているんですけれども。
そこだと、編み物作業に差し支えるんですけれども。
なんていうかこう、体温がリアルに伝わってくるんですけれども。
横なら構わないんですけれど、上はちょっと・・・
できれば遠慮していただきたいんですが・・・
オオツカさんとゆうみちゃん、そしてあまり親しくないネコ、以下無言。
(草を食べようか迷っていたネコ、人間の隣を選ぶ。)
今日は隣だね。
まぁね。
さっき、草を食べようとしてたの?

好きなの?
なんにも知らないね。
知ってるよ。聞いただけ。
(顔を洗おうとするネコ、それを阻む人間。)
ジャマしないでよ。
今日は顔を洗ったらダメ。
なんで?
顔を洗うと雨が降るんでしょ?
・・・毎日洗ってるよ?
そう?
そうだよ。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
-----
2007/09/26 00:28
(今日は会えないのカナ?とガッカリしていた人間、しばらくして姿を現したネコ。)
昨日は、見捨てて逃げたりしてゴメンね。
別に。気にしてない。
そっか。
うん。

犬がコワいの?
別に。そんな事ない。
じゃあ、どうして逃げたの?
・・・どうしても。
怒ってる?
別に。気にしてない。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(マンホールの上でくつろぐネコ)
おはよう。
おは・・・

(ネコの視線の先にはこげ茶の犬、人間の視線の先にはうす茶の犬。)
オオツカさん!
あのうす茶は今日もリードがないよ!
逃げなくちゃ!
(うかつにも、うす茶の発見が遅れた人間。根性で写真を撮り、オオツカさんを見捨てて逃げる。)
ふーん。冷たいね。
違うよ、違うの、あのね、ゴメンね。
あんな犬、別に平気だけどさ。

でも、緊張してない?
別に。マンホールの上にいるしね。
・・・それは、ニライにしか効果がないと思う。
そうなの?
そうだよ!
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(その表情に、ネコに相談しよう!という決意をたたえている人間。)
あのね、ちょっと相談があ・・・

今日は相談に乗ってくれないの?

ベンチと同じくらい、そこも好きだね。
うん、ここは好きだよ。

それでね、相談なんだけどね。
知ってる。
どうして知ってるの?
公園暮らしはダテぢゃあないから。
それでね、ワタシね、
本当は相談しなくてもいいんでしょ?
どうして?
本当は相談しなくても、もう決まってるんでしょ?
それなのにどうして相談するの?
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(不機嫌そうなネコ、声をかける人間。)
おはよう。写真撮っても良い?
だめ。
どうして今日はだめなの?
写真が下手だから。怖い顔に撮るから。
誰かに怖い顔って言われたの?
うん、言われた。
(ますます機嫌が悪くなるネコ、しばらく考える人間。)
じゃあ、小道具でキュートなネコを演出する?
キュートってなに?
ワタシみたいなこと。
・・・じゃあいい。やりたくない。
さっきのは間違いで、人間がエサをあげたくなること。
それなら良いよ。

食べられないよ?
知ってる。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(なにも言わないネコ、何も言わない人間。)
もう行くね。
うん。

大丈夫だったでしょ?
ん?
黙っていても、大丈夫だったでしょ。
そうね、そうだね、大丈夫だった。
「オオツカさん。」
ゆうみちゃん、振り返ってオオツカさんを見る。
(お忙しいところ失礼しますと、写真を撮る人間)
ねぇ、オオツカさ・・・
今日はまだ見てない。
そそそ、そっか、ありがとう。

どうしてオオツカさんばっかりなの?
言ってもネコにはわからないよ。
ふーん。
でも、オオツカさんにもエサはあげてないよ。
知ってる。
それに、触ったりもしないよ。
知ってる。
忙しいネコとゆうみちゃん、無言で別れる。
(ベンチにいるネコ、ネコの隣りに座る人間の大人、ネコを触る人間の子ども。)
台風大丈夫だった?
うん、平気。
どうしてたの?どこかに隠れてたの?
言っても人間にはわからないよ。
ふーん。
「写真撮ってー。」
「これね、このネコに引っかかれたの。」

「ほんとうにこのネコだったの?」
「こうやって顔を触ろうとしたら、ひっかかれたの。」
「あんまり触ったらいけないんだよ。」
「写真撮ってー。」
(別の人間の大人にほら帰るよと言われ、立ち去る人間の子ども。)
人間に撫でられても平気?
慣れた。人間はよく体を撫でるから。
私は撫でたりしないよ。
知ってる。
オオツカさんとゆうみちゃん、無言で別れる。
(雨で濡れた地面に横たわるネコ、駆け寄る人間。)
昨日はどうもありがとう。
なかなかのアドバイスだったでしょ?
まだ確かめてないから、わからない。
聞いてないの?
・・・聞いたの!?

ちょっと太った?
そんなことない。
そう?
そうだよ。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(いつものベンチでくつろぐネコ、そんなネコを見つけた人間。)
久しぶり。
うん。
どうしたの?
ううん、どうもしない。

あ、そうだ、見せたいものがあるの。
それはもう見た。
なんで?どうやって!?
ちょっと遅い夏休みだったから。
おでかけしたの?いや、そうぢゃなくて、夏休みがあるの?
まぁね、ボチボチね。
ほんとうに?
まぁね。
他に用があるんでしょ?
ううん。
そう?
あったんだけど、やっぱりなくなった。間違えた。
ふーん。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(今日も姿が見えないネコ、その姿を探す人間。)
オオツカさん見かけなかった?
お昼はいつものところにいたよ。
ベンチのところ?
そう。ベンチのところ。

なにか言ってなかった?
なにかってなに?
ゆうみちゃん見かけないなーとか。
べつに。
「オオツカさんに、会いたいな。」
親しくないネコにサミシイキモチを悟られたくないゆうみちゃん、以下無言。
(姿が見えないネコ、その姿を探す人間。)
オオツカさん見かけなかった?
エサ、持ってる?
ううん、持ってない。
エサを持ってこなくちゃー。

オオツカさん見かけなかった?
エサ、持ってる?
持ってないけど、明日持ってくる。
ほんとう?
・・・ううん、うそ。
「オオツカさんに、会いたいな。」
親しくないネコにウソをついてまでオオツカさんと会いたいナと思うゆうみちゃん、以下無言。
(なぜか優しくしてくれるネコ、ぐっとくる人間。)
ねぇ、時々、お昼ご飯食べに来て良いよ。
えっ?
少し困ってるんでしょ?
うーんと、ほんのちょびっとだけ。

(以前のアドバイスのこともあり、期待する人間。)
お付き合いだからってガマンしてるの?
ううん、ガマンしない。
思いきってハッキリ言うの?
ううん、ハッキリ言わない。
じゃあ、こういう時、どうしてるの?
公園にはそういうのないから。
そっかー。
公園に住んで良いよ。
・・・なんかちょっと違う。
そう?
そう。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(今日もベンチに寝そべるネコ、今日も日傘を忘れる人間。)
なにしてるの?
秋冬の靴下、編み始めたんだ。
この前のと違うの?

この前のはコットンで、これからはウール。
それなに?
この前のは植物の糸で、これからは動物の糸。
どどど、動物!?
(珍しく動揺するネコ、それがちょっと面白い人間。)
ネコじゃないから、ヒツジだから、大丈夫だから。
それなに?大事にされてる動物?
あれとは違う。
食べられる?
うーんと、そうね、だいたい食べられる。
ふーん。
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(いつも通りのネコ、日傘を持っていない人間。)
やっぱりエサを持ってない人間はダメだね。
今日はいきなりソレを言うの?
だって、今日も日傘持ってないから。

家を出る時、少し曇ってたんでしょ?
うん。曇ってた。
電車を降りたら、晴れてたんでしょ?
うん。晴れてる。
学習するチャンスはあったと思うけど?
うん・・・
やっぱりエサを持ってない人間はダメだね。
ううう、うん・・・
-----
2007/08/25 13:01
(ちょっと相談したい事があり、ネコを探す人間。)
ねぇ、いつも寝てばかりいるネコ、見かけなかった?
今日、エサ持ってる?
ううん、いつも持ってないよ。
ふーん。

そんな顔しないで、教えてくれない?
・・・。
さっき、あっちで見たよ。
ありがとう。
明日、エサ持ってる?
ううん、いつも持ってないよ。
ふーん。
(教えてもらった方へ歩く人間。ネコを発見。)

ねぇ、また相談があるんだけど。
言わなくてもだいたいわかる。
なんで?なんでわかるの?
ノビが終わったら行くからちょっと待って。
はい。

ねぇ、話しを聞いてくれるつもり、あるの?
聞かなくてもだいたいわかる。
なんで?なんでわかるの?
きっと、ちょっと疲れちゃうと思うよ。
でも、ウキウキ気分なら大丈夫だと思わない?
やっぱり、エサを持ってない人間はダメだね。
なんで?なんでダメなの?
オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
(無心で前足をなめ続けるネコ、多少落ち着かない感じの人間。)
いま忙しい?
ちょっと相談があるんだけど。
ねぇ、夏休みって知ってる?

(なおざりに顔をあげるネコ、ちょっと期待しちゃう人間。)
やっぱり、エサを持ってない人間はダメだね。
なにが?なにがダメなの?
あんなんじゃダメだと思うよ。
なんで?なんでわかるの?
気になるなら、今すぐ、自分で確かめてみると良いよ。
(前足をなめるネコ、絶句する人間。)
オオツカさんとゆうみちゃん、無言で別れる。
(初めてみるアクティブなネコに、ややっ!?と思わず声を出す人間。)
どうしたの!?
なにが?
どうして朝から道路を歩いてるの!?
説明しても、人間にはわからないよ。

今日、なんだか様子が違うね。
そっちこそ。
そう?
うん。
オオツカさんとゆうみちゃん、無言で別れる。
-----
2007/08/16 00:33
(朝の公園の花壇コーナーに寝そべるネコ、会社帰りにハスの様子をチェックしに行く人間。)
ややっ!?
なに?
・・・いや、具合でも悪いのかと思って。
本当は死んでるって思ったんでしょ?
そそそ、そんなことはないよ。

もう行くんだ?
うん、家に帰るの。
いつもみたいに座らないんだ。
横に座って欲しいの?
別に。
(珍しくウロウロしているネコ。人間が座るベンチの下にもぐりこむ。)
断りもなくレディの下にもぐりこむなんて、失礼じゃなくて?
レディってなに?
ワタシみたいな人間の事。
ふーん。
(クロスステッチを始める人間。移動する素振りもみせないネコ。)
ここにはレディがいっぱいだ。
そんなことないよ、おじさんがいっぱいだよ?
エサを持ってない人間がレディなんでしょ。
・・・違う。

オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
ここ、座っても良い?
いいよ。
(編み物を始める人間を、ネコが片目で見る。)
なにしてんの?
キャミソール編んでる。
ふーん。
(手を止めて一息ついた人間が、カバンから携帯電話を取り出す。)
足の裏、撮っても良い?
別にいいけど。

オオツカさんとゆうみちゃん、以下無言。
ゆうみちゃんが珍しく、積極的にネコに話しかけています。どうやら、雨のせいで言えなかった苦情を言うつもりのようです。
「ねぇ、ちょっと起きて。」
「なに?エサは持ってないでしょ?」
「あのね、夏が来るっていう話しなんだけどね、」
「知ってるよ、極上のヤツが来たんでしょ?それはもう聞いた。」
「それなら話しは早いと思うんだけどね、」
「今、忙しいんだよねー。」

決して忙しそうに見えないこのお姿を見て、ゆうみちゃんはなんとなく、苦情の申し立てができなくなってしまいました。ちなみに、その時のゆうみちゃんはお顔がちょっと「ムフフ」な感じになっていたのですが、本人は気がついていない様子でした。
「今日、お菓子持ってるでしょ。」
「ん?持ってる。どうして知ってるの?」
「それ、1コだけで良いから、ちょうだい?」
「ダメ。」
「いつもエサを持ってない人間は、やっぱりケチだね。」
「違うよ!これはネコ用じゃないからだよ!」
「人間用のお菓子をくれる人間もいるよ?だから、人間用も食べられるよ?」
「これはゆうみちゃん用なの。とにかくダメ。」
ゆうみちゃんは苦情を申し立てる事はできませんでしたが、お菓子は死守した模様です。
朝の公園でクロスステッチをしていると、ベンチでの朝寝坊を日課にしているネコが近寄ってきました。
「ねぇ、なにしてんの?」
「ん?クロスステッチ。」
「ふーん。」
「エサは持ってないよ?」
「知ってる。エサを持ってない人間だって、もう覚えた。」

公園のベンチは細長く、ワタシはベンチの一番端にちょこんと腰掛けているっていうのに、どういうワケだか今日は、わざわざワタシのすぐそばに寝そべります。
「今日、夏が来るよ。」
「本当に?どうしてわかるの?」
「公園暮らしはダテぢゃあないよ。」
なにしろいつも寝てばかりいるので、にわかに信用はできません。
「本当に本当?」
「せっかく教えてあげてるのに、信用しないんだね。」
「だって、いつも寝てばっかりでしょう?」
「エサを持ってない人間のくせに、生意気だぞ?」
「すすす、すいません。」
果たして梅雨は明けました。
けれどもまだ、ワタシのところに夏はやって来ていません。明日の朝、苦情申し立てをしようと思います。
(今朝まで「海の日3連休」を忘れていました。思いがけず連休だと知ると、ちょっと得した気分になりませんか?ワタシはとても、得した気分になります。)
さて。
朝の公園にて、本日の1枚。
昨日と同じベンチの上で、かなり油断していらっしゃいました。

携帯電話カメラを向けられた事に気がついてチラッと目を開けたネコは、たいして興味もなさそうな口調で「あ、昨日の人間だ。」と言い、また目を閉じました。