なんだあの人は
青砥駅に着いて改札を出て、パスケースをカバンに入れようと視線を少し落としたら、いきなり左腕を誰かにつかまれた。
本当にビックリした時だけ出す事のできる、いかにも女の子な「きゃっ」という声を挙げて(そうでもないときは「うわぁ」とか「おぉ」なんて言う)振り返ると、見たこともないオジさんだった。
上手く言葉にならずに息を止めていたら
「ねぇライター貸して」
と言われた。なんでワタシの腕を掴んでライターを欲するのよ、もう。拍子抜けして、間違えてライターを渡してしまった。
しまった!と思う。
慌てて「差し上げますから、失礼します」と言ったものの、時すでに遅し。
「待ってよ、火をつけたら返すからさー」
「ほら、オレ、クールビズだからさ」
「お姉さん火貸してくれたからお礼にどう?一杯?」
クールビズっていうのは、島耕作みたいな人しか使っちゃイケナイのよ。普通の人は省エネルック、オジさんのは単にだらしないだけでしょ!?
あーんもう!
以前のワタシなら(若いときなら?)知らん顔して、激しい足取りで無視できたと思うんだけど、なんだかすっかり弱気なワタシ。駅員さんに助けを求め、無事帰宅。