変換候補でコラージュ
会社でミヤザキさんが、メールを入力する時に使う変換候補の選択方法を教えてくれた。試しに使ってみたら、変換候補のその先にある、更に発達した機能を発見。
例えば、前回「お疲れさま、」「中村です。」というように、文を2つに分けて続けて入力したとする。
次に「お」と入力して表示された変換候補から「お疲れさま、」を選んだら、引き続き「中村です。」が入力候補として表示され、何がなんだかわからないうちに、ひとつの文の入力が完了してしまった。変換候補を表示するだけぢゃなくて、文の予測もできるみたい。「お」と入力してほんのちょっとボタンを操作するだけで「お疲れさま、中村です。」という文が、ざざっと入力できてしまうだなんて...
(みんな知ってるの?イマドキ当然なの?)
お友達やステディと、まるで会話しているかの如く携帯メールを送りあっている子たちは、ワタシの周りにいないだけで、世の中には沢山いるのだろうと思う。彼らがみんな、こんな便利機能を駆使してるんだ...と想像したら、奇妙な気分になった。
以下、膨らむ妄想。
郵便ラブレター時代もそうであったように、会って言えないあんなコトやこんなコトも、携帯メールなら伝えやすいはず。カップルたちは揃って、あんなコトやこんなコトを携帯メールに託す。
本を読まない彼らには、想いを託す語彙が少なすぎる。もし豊富な語彙を駆使したメールが送られてきても、それを読む事ができない。キラキラした絵文字も大人には読めないギャル文字も泣いたり笑ったりするフェイスマークも、結局は単調でありきたりな雰囲気を助長するだけになってしまう。
勢いメールの文章は単調でつまらないモノとなり、今日もまた、沢山の「いつもと同じメール」が見えない電波に乗って空を駆け巡った。
あんなに仲良しだったステディとダメになってしまうこともあり、失恋から復活してまた、別のステディをみつける。
新しいステディと、初めてのデート。
行ったことのない街、初めてのお店、普段と違う電車、新調したお揃いのストラップ、初めてのキス。新しい日常が楽しくて、あらゆる出来事が新鮮で。ギリギリまで一緒にいる2人は、JRのホームで別れた。
電車の中で携帯メール。
「き」と一度ボタンを押せば「今日は楽しかった」と入力できる。
大好き、会いたい、また遊ぼうね、こんなに自然に、一緒にいられる、相手は、初めてかも
変換候補と文の予測を駆使して書いた新しいステディへの初めてのメールは、ついこの前失恋したばかりのあの人に送ったメールの、ただの寄せ集めでしかなかったりして。
誰に送った言葉かどうかなんて覚えていられないコトバを集めた、つまらないコラージュのように。