気持ちの良い午後に
気が向いて、お昼休みにお散歩をする。
一人ランチだった今日、とても暖かかったから。
ノンビリ歩いてテキトウなお店で食べようかな?と、まぁそんな感じで出発。お財布とタバコをぎゅっと握り締めて出発。
まるで太陽を浴びるように、時々、顔を上げて歩いた。
会社ばかりの街とはいえ、ビルとビルの間に、突然普通のお家が現れたりする。
生まれ育った街が、自分たちの思いとは関係のないところで、いつのまにか会社ばかりの街になってしまったであろう彼らの家の前には、鉢植えが置かれている事が多かった。
オモトと芽をだしたばかりのチューリップが当たり前のように並んでいたりする。何年も手入れをしていないツツジの盆栽が2つ3つ必ずある。プラスチック製の黄色い樽にはコムラサキを合わせるのが流行で、マンリョウはどの家庭にも必須アイテム。
お気に入りの鉢とそうでない鉢の区別が、容易に想像できた。
古い自転車、消えかけた表札、錆びたポストや風に揺れる洗濯物。
乱雑で無造作な鉢植えとそれらいくつかのアイテムから、住んでいる人々や彼らの暮らしを、なんとなく考えた。
気持ちの良い午後。
早く春が来れば良いのにと思った。
春になったら、肌触りの良いコットンのシャツを買おう。
それは珍しく明るい色。
シャツのボタンを1つだけ開け、柔らかい風を首筋にうけよう。
青空に映える若葉を探し、闇夜に浮かぶ桜を確かめよう。