パピコ半分コ
モチヅキさん(隣りのビルのチェリーおじさん)のいるビルの前を通る時にチラリと彼の姿を探すのは、必ず実行する恒例行事。
いつもの自動販売機が駐車場の奥の方へ移動して以来、駐車場に行くことがなくなっていたの。よそ様のビルだし、あんなに奥の方だとね、さすがのワタシも遠慮しちゃうワ。
今日も知恵熱出しまくりで、だからパピコを買いに行く。
帰りに、とっても久しぶりな彼の姿を発見。
手を振りながら頭を下げて通り過ぎようとしたら、小部屋から出てきて手招きされたの。小走りで近寄って「ご無沙汰しています」とご挨拶。
いつもの通り世間話をしていたら、モチヅキさんが、むぎゅっと握ったパピコに反応して。
「おやつでも買ったの?」
「はい。ややこしい仕事の時はパピコを買うんです」
「パピコ?」
「あ、アイスです。甘いコーヒー味のアイス」
そうだ!
2コ入ってるから、1コあげよう!
「モチヅキさん、1つ食べますか?」
「わるいよ、食べようと思ったんでしょう?」
「パピコは2つ入りなんです」
「じゃあ、ひとつもらおうかな」
フフフと声に出しながら、1つ彼にあげました。パピコ半分コ。