ツボ勘定
会社のフジワラくんは宝くじを買わなかったんだって。
「あれ?どうして買わなかったの?そういうの好きじゃなかった?」
「お、お小遣いが...」
aha?
最近2人目の子どもが産まれた彼は、ますますお小遣いを減らされたらしい。
彼は確かリュウイチと同じ年くらいだったと思うんだけど、彼の「お母さんは家に居た方が子どものためになる思想」で、奥さんが専業主婦なの。
小さな小さな会社に勤めるリュウイチと同じ年くらいの男の子だもん、サラリーなんてタカが知れてる。なのに一家の大黒柱。お小遣いを減らされるのも、仕方がないことなのかも?
「フジワラ家でもイシダ家方式を採用する?」
「なんすか?それ」
「ん?ツボ勘定だよ、壷勘定方式」
イシダ家では2人揃って25日が給料日。
お互いのお給料は、出し入れ容易なデザインの「壷」にガサっと投入される。そこから、光熱費など必要経費と「第一回お小遣い支給分」が取り出される。
なんだかんだでお財布の中のお小遣いが消えると、各自がそれぞれツボの中に手を伸ばし、必要な分を「むぎゅっ」と掴み、お財布に入れる。
「ツボは焼き物の方が良いよ?」
「なんでですか?」
「中身が見えないから」
そう。
ツボ勘定方式は、減り具合がじぇんじぇん見えないのである。
「そんなの言えないっすよ~」
「もし実施したくなったら、嫁さんに言ってあげるから(笑)」
「お、怒られますよ~」
話しを聞いていた大人2人世帯のミヤザキさんが、ボソッと「オレん家もそれが良いなぁ...」と呟いた。
ちなみに彼の奥さんは「俺の知らない間に見慣れないバッグとかが増えてるんだよぉ」という奥さんらしいので、彼女一人だけの「ツボ勘定」を採用しているのかも知れない。