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2006/08/28

肺の中の蛇

左腕に隠れていた蛇が、肺の中に移動した。
ゆっくりと、けれど絶え間なく動くのがわかる。
喉を通って外にでないよう、ぎゅっと口を結んだ。

しらばくして、蛇が増殖していくのがわかった。
一匹の蛇が二匹になる、二匹の蛇が四匹になる。
私の肺は、みるみる蛇でいっぱいになった。

体中の細胞が新鮮な酸素を求める。
大きく息を吸うと同時に、一匹の蛇が口から飛び出した。
それは見たこともない色をしている。
左腕に隠れていたあの蛇とは、全く別の色をしていた。

肺の中で起きているであろう出来事が、途端に恐ろしくなる。
だから私は、増殖を続ける蛇を吐き出す事にした。
床一面に見たこともない色が広がる。
やがてその色は散り散りになり、いつの間にか消えた。

赤みを帯びる肌、見開かれた両眼、細胞の呼吸音。

その時、肺の中で何かが動いた。
生暖かい何かが、首筋の日焼け跡をなぞる。
肺胞の中に隠れていた一匹の蛇がまた、左腕に隠れた。

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