こういう時のワタシは普段の8倍くらい強引
少し久しぶりに鶏モモの掃除をして急に思い出した、お店時代のコト。
その日はワタシとマサキくんだけがコックコートを着ていて、どういうワケだかとにかく、2人だけでお通しを「イキナリ今考えて作る」状況い追い込まれた。前日に記入する「明日のおつかい&仕込みメモ」に不備があったのか思った以上に満員御礼だったのか。細かいコトは覚えていないけれど、キッチン担当はワタシたち2人だけだった。
お店だもの、当然「お通しレシピ」は沢山ある。
だけれど、ワタシたちが今すぐにバッチリ!作れるもので、さらに「今この冷蔵庫にあるモノ」で作れるという条件に合うレシピがみつからなかった。
たとえ他のアイテムが欠品になろうとも、お通しナシというワケにはいかない。2人の経験と冷蔵庫の中身を考慮しながら、何か作らなくちゃイケナイ。
「アスパラガスと人参を鶏モモで巻いてオーブンで焼こう」
「牛肉巻きがアリなんだから鶏肉だってアリだと思うの」
「お酒とおしょう油と少しのお砂糖を煮詰めたタレをかけよう」
「大葉(シソ)を一緒に巻くと更においしいんだよ?」
「ワタシ作ったコトあるから大丈夫。おいしいよ?ホントウだよ?」
ワタシの提案に、少々難色を示すマサキくん。
その理由は、鶏モモの掃除にかかる手間と材料費の高さだった。彼の言うコトはちっとも間違ってない。だけれどワタシにはもう、他に案が思い浮かばなかった。
「他に良いヤツが思い浮かばないんだから、もうそれにしよう?」
「お肉の掃除はワタシがするし、材料費のコトは考えないコトにしよう?」
こういう時のワタシは普段の8倍くらい強引で、相手が息を吸った瞬間を見逃さずに「ダダダッ」とたたみかける。マサキくんはおしゃべりのトーンがほんの少しノンビリしているので、圧倒されたみたいだった。
その後の展開はあんまり覚えていないのだけれど、とにかく強引に決めたコトと、エラい勢いで鶏モモの掃除をしたコトを覚えている。