仕方なく寝たふり
朝の通勤電車で、夢中になってファーブル先生読む。
ほぅと顔を上げて、思わず「えぇっ!?」と声に出し慌てて口を押さえたってもう遅い。周りの人がチラリとワタシを見る。
ワタシの目の前には、金髪ネエちゃんの、丸出しのお腹。
おへそ丸出しのタンクトップと、何かの拍子に警察へ連れていかれる事態に陥りそうなほどにローライズなショートパンツ。
至近距離の浅黒い肌が生々しい。
それはたとえば「上品な女性の美しいえりあしをチラリと見てしまった」というのと、あらゆる事が正反対。視線を落とすと、そこにはこれまた同じような質感の太ももが待ち構えているワケで、さらに視線を落としたならば、今度は半分はがれた真っ赤なペディキュアが目に入る。
「なにか気に障ったんなら無条件にあやまるから、だから、お願いだから、そのお腹をしまってもらえませんか?」
・・・と言えるハズもなく、仕方なくずっと寝たふり。