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2008年7月31日

彼女にも「はい、じゃあまた、失礼します。」と言ったんだ。

実を言うと今年の春、電車の中で、退職した女部長に遭遇したんだ。
なんともなしに座席の前の吊り革に手を伸ばしたら、前に座っていた人が、ビクッと少しだけ動いてモーレツにうつむいたのが、チラッと視界に入ったの。

何かしらとさりげなく見たら、そこには、久しぶりの女部長。
これ以上ないっていうほどにうつむいたまま1ミリも動かない彼女を見て、なんとも言えないキモチになったんだ。

そりゃあ、円満退社とは対極に位置するヒドい辞め方だったし、きっと彼女だって当時の自分を振り返ってみれば「イシダさんにもヒドい事したな」と感じるんぢゃないかとも思うし、だけどでも、退職してもう2年以上経っているし、そんな、全力でうつむかなくても・・・と、思ったの。

ワタシのコトも、本当は嫌いだったのかな。
自分で気が付かなかっただけで、彼女がイヤなキモチになるような意地悪、ワタシもしてたのかな。ワタシも悪かったのかな・・・

全力でうつむく彼女の姿と、声をかけずに気付かない振りをするワタシ。
彼女の機嫌が良い時限定という「トンデモ前提」付きとはいえ、ワタシが一番、彼女と親しくおしゃべりしていたんだ。それは、彼女と20年一緒に働いていた社長が言うんだから、本当だと思うの。だけど、久しぶりの遭遇がこんな風になってしまって、なんとも言えないキモチになったんだ。

気付かない振りをする自分が、とっても嫌だったの。
だから、会社のみんなにはこの事を黙っていたの。もしみんなに話したら、それは、ワタシが悪い人だって宣伝しているみたいだから、黙っていたの。

時間は少し流れて、今月の頭くらい。
今度は帰りの駅のホームで、彼女に遭遇したの。彼女が先にワタシに気が付いて、(とても見慣れた、あの、)うんざりした仕草であさっての方向に体を向ける、その瞬間を目撃。この時もまた、気が付かない振りをするワタシ。

とってもイヤなキモチになったの。
ワタシを避ける彼女がイヤなんぢゃなくて、避けられている自分と、気付かない振りをする自分が、とってもイヤだったの。

(以上が前振り、ここからが本題。長くてゴメン。)

今朝、また電車で一緒になったの。
駅を目前に減速を始める電車、下車するべく扉の前に集まる人。その中に彼女がいて、そうねだいたい、1.5人くらい隣りになったの。きっと彼女、ワタシに気付かずに扉の前に立ったんだと思うんだ。

「声をかけよう」

そう決めて、降りた瞬間に声をかけたの。
とっても驚いたように、まるで初めて遭遇したかのように。

改札の手前で、立ち話。
当たり障りのない近況を尋ねる質問をして彼女の発言を待ち、彼女が質問する間を意識的に作り、彼女が言葉を用意できない瞬間を見逃さずに言葉をつないで、決して会話が途切れないように心がけたの。ワタシは「oh!モーレツ!!に社交的な性格」をいかんなく発揮して、始終笑顔で、立ち話を終えたの。

駅や道端で知らない人とおしゃべりした後、ワタシは「はい、ではまた、失礼します。」という事が多いのだけれど、彼女にも「はい、じゃあまた、失礼します。」と言ったんだ。

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